ストーリー

雨と朝日の狭間で。

昨夜は何だか寝つきが悪かった
何故だろう、決して飲み過ぎたわけでもないのに
きっと、天気のせいだろう
0時を過ぎた頃に降り出した雨は音を増していった
その音は、寝ようとする私の耳の中にリズムとなり響き渡った

瞑想するのにちょうどいいリズムだ
最近、仕事が忙しかったことや
久しぶりに起こったパニックと不安との掛け合いや
もうすぐ、自分で逝った従姉妹の命日だということや
いろいろなことが「ゴゴゴォー」と音を立てて訪れた

真っ暗な部屋の中
全裸でベッドに横になった自分を
どう処理していいのかわからず
時間だけが過ぎていった

早く朝になって欲しかった
羊でも数えればよかったのかもしれない

明け方にもなれば
数え切れないくらいの羊たちが
私の周りで佇んでいただろう

眠れない夜をいくつ越えれば
人は強くなれるのだろう
「止まない雨はないよ」と君は言うけど
実際、雨は止んでいないじゃないの
時には、雨量を増して「ゴゴゴォー」と押し寄せる

「ゴゴゴォー」

「頑張れ」だとか「大丈夫」だとか
「どうにかなるって」だとか
そんなありきたりの言葉じゃなくて

私が欲しいものはもっと確かなものなの

 

「ゴゴゴォー」

「ゴゴゴォー」

 

そして、雨はいつの間にか止んでいた
もうすぐ、朝日が昇る時間

 

私は勢いよく
バァーっとカーテンを開ける

今日という日に昇る朝日を迎えよう
君が言った通りに雨が止んだんだ

 

振り返ると、
玄関に
置いてある傘だけが

濡れていた。

 

 

 

 

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